厳冬の山奥で一頭のサルが目覚めた。昨夜の寝床には枝が多い樹を選んだが、しんしんと降る雪が毛にも積もっている。やがて彼女は続々と起きてきた群れの仲間と山を下りはじめた。みんな沢の隅に楽園があることを知っていて、凍りついた背中の雪を溶かしに向かっているのだ。しばらく身体を温めているうちに、湯けむりに濡れた頬は次第に緩んでいく。もし言葉が使えたら「寒い朝はこれに限る」とでも言うにちがいない。ふわふわの毛皮を着ているのに、寒さが身に凍みるのはどうも僕達だけではないようだ。

SNOW MONKEY